ku(京大教育) さんの投稿記事
その昔、自閉症は、子育てがうまくいかなかったことが原因、と言われていた時代がありました。母親が冷たかったからだ、などです。
今ではこの見方は否定され、自閉症は脳機能障害とみなされいます。
しかし、この見方もまた固定されたものです。「脳が障害を受けているから、もう変わらないんだ」「薬をのませればいいんだ」という考えを招きがちです。どんな環境におかれても、かかわりを持たれても、変わらないものなのでしょうか?
人間というのは、可塑性のあるものです。環境の要因を全く受けないことなど考えられず、環境との相互作用によって発達していくものです。そして、環境というのは理論化するのは大変難しいことです。
私は何人かの発達障害のお子様と関わってきましたが、同じ症名がつけられていても、一人一人全く違います。自閉症という枠でくくれるものではないと感じています。
自閉症の子は目を合わせにくい、などといった行動の特徴についての多くの研究がなされてきました。しかし、ではそれはなぜなのだろう?ということについてはあまり踏み込まれてきませんでした。脳のこの部分が活動しないから、というデータもありますが、ではなぜ活動しないのか?ということには答えてくれません。
この「なぜ」というのには、情動(ここでは意識されない気持ち、と言い換えてもいいです)が大きく関わってくるように思います。また、次回これについて詳しく記そうと思います。
2009年10月30日 |
教育・受験関係の話題 |
ku(京大教育)
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私はアスペルガーのお子さんを2人担当させていただいていて、そのうち一人のお子さんは小学校6年生。私立の女子中学を受験しようとしています。
受験をはじめ、勉強に私が必要だと思っている能力に、「メタ認知能力」があります。
自分が何を分かっていて、何が分からないか。
それを的確に掴む力・・・と(この場合は)思っていただいていいと思います。
自分が算数の問題を間違えたとして、それが計算ミスなのか、公式が思いつかなかったのか、文章を読めていなかったのか。そういったことをきちんと理解することも含まれると思います。
そして、次から同じミスをしないように注意する。最初は解けなくても、この繰り返しで解ける問題が多いのではないでしょうか。いわゆる「間違いなおし」ですね。
おそらく、障害をお持ちの生徒さんの一部は、この「メタ認知」を勉強中に用いるのが難しいと思います。
「なんで間違えたか?」という理由を説明するのが難しい・・・
私が担当しているお子さんも、とてもストレスがかかるようです。
かといって、こちらから枠どおりの解法を教えるだけでは、その場でできても、すぐに最初自分がやった解法に戻ってしまったりします。
このため、算数では、式を丁寧に書くなどして、私が後から見てどこで間違えたか分かるようにしてもらっています。
国語の文章題は、宿題には出さず、授業中にやってすぐに答え合わせすることで、理由を言ってもらいやすくします。
「どうしてこういう答えになったのかな?」「それは、ここが違うから、こういう風にしたら解けるよ」とその場でやってみせる。そうすると納得してくれることが多いです。
定着は、まだ難しく、今後の課題ですが・・・;;
障害のあるお子さんには、書き込みや図式化など問題に工夫をすることはもちろん、問題自身の程度を下げて指導し、自信をつけてもらうことが多いです。
しかし、受験となるとそうはいかないことが多いです。最終的に解かなければならない問題はほかの子と同じ。ストレスがかかることもあり、こちらも辛いですが、できる範囲で頑張っていきたいと思います。
2009年9月26日 |
家庭教師レポート, 教育・受験関係の話題 |
ku(京大教育)
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こんにちは。早いもので、もう夏休みが終わりました。(大学生はまだまだですが)
長い夏休みが始まる前、受験を控えるアスペルガーのお子さんは、とても多く見える学校の宿題に気おされて焦っていました。
そこで、夏休みが始まる前に、受験勉強だけでなく、学校の宿題も含めて全体的な計画を立てました。
といっても、みっちり予定を組むと、うまくいかなかったときにしんどくなるので・・・
1週間にこのくらいやれば、必ず終えることができるよね、ということを確認します。
そして、今週は、学校の宿題を優先させる、今週は受験勉強を、ということを一週間毎に、決めます。
1週間の中では、毎日予定をいれるのではなく、「調整日」をつくり、できなかった分をそこで消費することにします。全部消化できていれば、その日は休みです。
とても真面目な性格の子で、しっかり計画を立てて頑張ろうとするのですが、少し無理なスケジュールを立てることがあります。そして、宿題が進まなかったときに、落ち込みが大きいので・・・
自分がどのくらいできるのか、どのくらいだとしんどくなってしまうのか、ということを事前に的確につかめるようになれば、そういったことが防げると思います。
受験勉強ですから、「やらなきゃいけないこと」は確かにあるのです。けれど、それに目をとられて、自分の許容量以上をやろうとしても、どこかでくじけてしまうでしょう。
それよりは、自分の許容量に余裕がある程度の勉強をこなしつつ、「がんばれる」環境をつくり、その許容量をアップさせていくほうが、よいのではないでしょうか。その環境というのを整えるのが、発達障害における家庭教師の役割の1つだと個人的に思います。
2009年8月31日 |
家庭教師レポート |
ku(京大教育)
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こんにちは。今回は、前回の続きで、息抜きにもなる勉強課題をご紹介します。
漢字の読み書きが苦手なお子さんが気に入っているもうひとつの課題は、「漢字神経衰弱」です。
このお子さんは、漢字の細かいところを覚えるのが苦手です。漢字を何回も書く、という宿題に苦労する、というのは前回ここに書きました。
しかし、このお子さんは暗記力がとても良いです。トランプの神経衰弱が得意!といっていたことから、この課題を思いつきました。
正方形の画用紙に、既習の漢字を書きます。その際、同じものを2枚作ってペアにするのではなく、同じ「つくり」や「へん」などをペアにします。(その箇所だけ色も変えます)ふりがなも書きます。
さんずいなど多いものは、2ペアできたりしますが、それはどの組合せでも可、とします。
何がどこにあるか、を覚えるのはとても得意なお子さんです。この神経衰弱でも、予想以上に強いです。私は負けっぱなし・・・笑
この課題では、複雑な漢字の細かいところまでは覚えきれませんが、「投と指はてへん」などとセットで覚えられます。
実際に、ただ漢字を書く課題(宿題のドリルなど)でつまずいたときに、「これ、神経衰弱にあったよ~○とセットだよ」と言うことで、思い出してくれることがあります。
前回は、WEBサイトを利用して、漢字のアニメーションを見るものでした。発達障害のお子さんの指導には、勉強を楽しんでする工夫が必要なときもあると思います。
学校の一斉授業では限界があり、しんどいこともあるでしょう。でも、一対一の家庭教師の時間は楽しんで、かつ学校での負担を軽減できるように、勉強を行えたらいいな、と思います。
2009年7月22日 |
家庭教師レポート |
ku(京大教育)
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発達障害のお子さんには、ある特定の処理が苦手な子がいらっしゃいます。
例えば、「漢字など複雑な形を覚える・書くのが苦手」「意味をよみとるのが苦手」「耳から聞くのが苦手」・・・
でも、そういった子は逆に、得意としている処理があることが多いです。
私の担当しているお子さんのうち、一人の子は、「書くこと、漢字など複雑な形を覚えることが苦手」で、「意味処理や意味のある暗記、聞くこと、話すことが得意」なお子さんです。
宿題を主に見ているのですが、その中にその子が苦手な「漢字を何回も書く」というものがあります。
その週に習った新しい漢字です。いきなりそれをやるととてもしんどいので、その前に二つの課題を取り入れています。ひとつは「漢字の成り立ちアニメーションを見る」です。
「森の学校」というサイトを利用させていただいているのですが、そこでは、漢字の成り立ちがアニメーションで見られるようになっています。難しいものもありますが、インパクトがあり、何よりお子さんが気に入ってみてくれています。
それでその週の新出漢字を見て、それから課題にとりかかる・・・という流れがスムーズにできます。
苦手なことを練習するのは勿論ですが、うまくとりかかれるように、こういった助走が必要ではないかな、と思っています。
他の課題は、又次の機会にご紹介しますね。
2009年6月30日 |
教育・受験関係の話題 |
ku(京大教育)
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