環境と可塑性
その昔、自閉症は、子育てがうまくいかなかったことが原因、と言われていた時代がありました。母親が冷たかったからだ、などです。
今ではこの見方は否定され、自閉症は脳機能障害とみなされいます。
しかし、この見方もまた固定されたものです。「脳が障害を受けているから、もう変わらないんだ」「薬をのませればいいんだ」という考えを招きがちです。どんな環境におかれても、かかわりを持たれても、変わらないものなのでしょうか?
人間というのは、可塑性のあるものです。環境の要因を全く受けないことなど考えられず、環境との相互作用によって発達していくものです。そして、環境というのは理論化するのは大変難しいことです。
私は何人かの発達障害のお子様と関わってきましたが、同じ症名がつけられていても、一人一人全く違います。自閉症という枠でくくれるものではないと感じています。
自閉症の子は目を合わせにくい、などといった行動の特徴についての多くの研究がなされてきました。しかし、ではそれはなぜなのだろう?ということについてはあまり踏み込まれてきませんでした。脳のこの部分が活動しないから、というデータもありますが、ではなぜ活動しないのか?ということには答えてくれません。
この「なぜ」というのには、情動(ここでは意識されない気持ち、と言い換えてもいいです)が大きく関わってくるように思います。また、次回これについて詳しく記そうと思います。
2009年10月30日 | 教育・受験関係の話題 | ku(京大教育) | コメント(1)