世界の学生事情 其の1 -大学入試編-
受験の天王山、夏休みがいよいよ始まりました。
大学入試は点数が全て!1点の差で合否が分かれるのが入試の世界。
厳しいようだけれどそれが常識・・・
だと、つい最近まで思っていました。世界の入試事情を知るまでは。
”大学入試は、試験の成績で厳正に合否を判定する”
日本では常識のこんなことさえ、実は世界的に見ると「変わった」風習でさえあったのです。
今回は、日本とは違う海外の入試事情を取り上げます。
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アメリカ
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自由と公正の国、アメリカ。
いろいろな差別・不平等について世界で一番敏感な国ですから、
さぞかし大学入試も公平な制度なのだろう・・・と思いきや。
到底日本では考えられないような制度を数多く採用しています。
1.レガシー制度
もし日本で、
「この子は〇〇議員の息子ですから、どうか入学させて下さい」
などと言ったら、確実にその場で警察に突き出されるでしょう。
しかし驚くことにアメリカでは、”社会的有力者の息子は、試験の成績に関係なく合格させる”
ということが公式の制度として採用されているのです!
これを”レガシー(Legacy)”というのですが、
全合格者に占めるレガシーの割合は、なんと10~15%にものぼるというのですから驚きです。
2.マイノリティー制度
アメリカの大学では、何よりも多様性が重要視されます。
そしてその一環として、多くの大学がマイノリティー(少数民族)を優遇する制度を持っているのです。
制度の仕組みは簡単で、もし受験生が少数民族であれば、
試験の点をそこまで考慮せずに合格させるというものです。
これは逆に言えば白人が入試で不利になるということなのですが、
連邦最高裁判所は”人種を選考基準として取り入れて良い”と判決しているため、
この制度が廃止になることは当分ないようです。
他にもスポーツ入試や飛び級入試など、アメリカの大学入試は大学の”多様性”を増すことを第一に作られており、
入試の点数と同じくらい受験者の履歴書、志望理由書等を重視するそうです。
たとえ必死で勉強をして人よりいい成績をとっても必ずしも合格できるとは限らない入試制度が
はたして公正なのかどうか、日本人から見るとなんとも不思議な制度です。
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フランス
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さて、アメリカの制度は”勉強しても合格できるかわからない”制度でしたが、
ところ変わってフランスの制度はまた別の意味で変わっています。
なんと、「高卒資格を持った生徒は必ず全員大学に入学できる」という制度なのです。
この高卒資格は”バカロレア”と呼ばれており、ちゃんと試験もあります。
フランスでは「バカロレアを持っていなければ、将来スーパーのレジ打ちにしかなれない」という言い回しもあるそうで、
高校生が卒業にまでに必ず超えなくてはならないハードルのようです。
ただ、「高校を卒業すればどこの大学にも入学できる」というのは、日本の高校生にとっては羨ましい制度ではないでしょうか。
ちなみに導入は1808年、ナポレオンによるそうで、なんともフランスらしい伝統ある制度だそうです。
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その他、
中国 合格点に足りなかった点数に応じて追加で入学金を納付すれば、入学できる
イギリス 入学試験というものがなく、高校在学中に2年間かけて受ける複数のテストの成績で合否が決まる
スウェーデン 勤労経験が4年以上あれば、それに応じて点数が加算される
などなど。調べれば調べるほど、
”入試の点数だけ”で厳密に合否の判定を行っているのは世界で日本だけなのではないかと思えてきます。
いったいどんな大学入試制度が生徒のため、大学のため、社会のためになるのか。
これまであまり議論されたことのない問題ですが、
実は国のあり方に関わる非常に重要な事なのかもしれません。
(なんて偉そうなことを言ってしまいましたが、よく考えたら
もし入試制度がフランス式とかになったら我々家庭教師は失業ですね。
それ困るなぁ。)
2010年8月7日 | 教育・受験関係の話題 | Mr.T(京大工物) | コメント(1)