2人同時指導
大手個別指導塾で、生徒の状態を見ながら講師にアドバイスをしている心理士の先生が面白いことをおっしゃっていました。
大抵の個別指導では、生徒2人の間に座って交互に学習指導するというスタイルです。一方の生徒を教えている間に、もう一方の生徒には自分で問題を解いてもらうことになります。
ところが、教室内にはなかなか集中して勉強できない子が数人はいます。その子たちを観察していると、自分が教えられている間はいいのだけれど、もう一方の生徒に先生の関心が移ってしまうとそわそわしだすのです。そして、先生に指先でチョンチョンとちょっかいを出してみたり、消しゴムのかすを「先生あげる」と言って渡そうとしたりするのです。
要は寂しいのですね。生徒はその寂しさを意識していない場合が多いけれど、そのような行動に表れてしまうわけです。そこで心理士の先生が考えたのが、一方を教えている間、もう一方に体だけは近づけておくという作戦です。普通は教えようとすると、意識だけでなく体も教えている生徒の方に寄ってしまうので、自習中の生徒との間に微妙な距離が空いてしまうのです。
その作戦は見事に的中して、先生方も驚かれたそうです。先生の気配を感じられると、生徒が安心して集中が途切れにくくなったようです。このような生徒には、「先生はいつも側にいるよ」
というメッセージを、眼差しや仕草で発信することが大事なのだと思います。