Mr.T(京大工物) さんの投稿記事

個人で電子書籍出版 part4 -iPad/iPhoneで出版 準備編2-

それでは、今回から具体的な手順を一つ一つ流れに沿ってまとめます!

□□□□■ 1.Apple Developer Programへの登録 □□□□■

ただ単に会員登録をするだけなのですが、コツを知らないと結構つまづきます。
初っ端でつまづくとやる気が萎えますよ!

登録は以下のページから行います。

http://developer.apple.com/jp/programs/ios/

「今すぐ登録」 → 「続ける」 → 「新規に登録する方―”新しいアカウントを作成します。”(※1)」を選択 → 「indivisual」 を選択し、個人情報を埋めて(※2) 「Continue」 を押下

※1 Apple IDを持っている場合はそれを使ってApple Developer Programに登録できますが、私はオススメしません。Apple Developer Programは税金絡みの契約をする必要もあり住所・名前等の確認が厳しく、Apple IDとApple Developer Programに登録している名前・住所に食い違いがあるとパスポートのコピー等をApple本社までFAXさせられたりするのです。これが面倒!

※2 この時、住所・名前を正しく*英語*で入力する事に注意!日本語で入力しても登録できてしまいますが、あとで困ります。また、この時入力した名前と年会費支払いの名義人名が食い違うとこれも面倒なので、名前・住所はクレジットカードで登録してある通り入力するのが吉です。電話番号は、例えば携帯電話なら国番号を付加して 81 90 1234 5678 ですね。

最後に開発するアプリ等についての簡単なアンケートに答え(ここは適当で大丈夫です)、Continueボタンを押下すれば前半終了です。

後半はApple Developer Programへの登録。
「利用規約に同意」した後Continue → 確認コードがメールアドレスまで送られるのでそれを入力後、Continue → 支払いを行うクレジットカードの名義人・住所を再入力(※3) → Continue押下 → 開発するプラットフォームの選択。一番上の「iOS Developer Program」のみが今回は必要です。選択してContinue 押下 → 入力内容の最終確認、Continue押下 → Program License Agreementに同意後、Continue押下 → 年会費お支払い!(※4) → 支払いが確認されればApple Developer Programへの登録完了

というのが全ての流れです。

※3 ここで何も触らないで済むことが望ましいようです。少しなら修正しても大丈夫、と言う人もいて詳しくは分かりませんが・・。また、年会費の支払い自体は振込でも行うことができます。

※4 年会費の支払いは、Apple Onlineストアで「商品として会員権を購入」することで行われます。ここでの支払いは先ほど登録したクレジットカードで行うことが望ましいようです。

スムーズに行けば1時間で済むはずの作業ですが、私は少しトラブってApple社とのメール/FAXのやりとりで1週間以上かかってしまいました。原因は「以前作成していたAppleIDが日本語で登録されていたこと」および「支払いを振込で行おうとしたこと」だったのですが、どうも調べてみると同じようなトラブルが国内ではよくあるようです。是非ともご参考になさって下さい。

□□□■□ 2.Xcodeのインストール □□□■□

Xcodeとは、iOS向けのアプリケーションの統合開発環境です。最近バージョン4にメジャーアップデートが行われ、ユーザーインターフェースから一新されました。このXcodeもまた曲者で、漫然とやっているといろいろとつまづかされます。(開発に着手するまでが本当に一苦労ですね!)

最初に問題になるのが、Xcode3をインストールするかXcode4をインストールするかという事です。
何故「当然新しいXcode4のほうが良い」という結論にならないかというと、

1.Xcode4は2011年3月に発表されたばかりであるため参考になる文献が少なく、Xcode3を使う方が困った時などに便利である
2.Xcode4の対応OSはMacOSX v10.6またはMacOSX v10.7と非常に限られている(逆にXcode3はv10.7以降に非対応)

の2点があるためで、実際私もつい最近までXcode3を使っていました。

今回の記事では、折角iOS5もリリースされた事ですし、背伸びをしてXcode4をインストールして使いたいと思います。(ただしiOSのアプリケーションは基本的に下位互換性があります。iOS3向けに作ったアプリはiOS5でも使える・・事になっていますから、Xcode3を使っても問題は無いはずです。)

それでは、具体的なインストール方法です。
ソフトウェア本体ですが、

https://developer.apple.com/xcode/

にアクセスし、先ほど登録したApple Dev Programのアカウントでログインすれば無料でダウンロードが可能です。左下の”ブループリント&ハンマー”がXcodeのアイコンです。(ちなみにアカウントを持っていない人でも600円で購入できますが、アプリの公開はできません。)

ちょっと大きめ(1.6GB程度)のダウンロードが終わったら通常通りインストールすれば、ようやく開発環境が整ったことになります。

気づけば準備だけで2回分の記事を使ってしまいました!次からはいよいよXcodeをいじっての作業にかかりましょう。

個人で電子書籍出版 part3 -iPad/iPhoneで出版 準備編1-

日本の電子書籍市場に火をつけたのがiPadであることに疑いようはありません。
確かに、北米市場ではAmazonのKindle、SonyのBookReaderなど様々な電子書籍リーダーがありますし、またタブレット/スマートフォンというカテゴリーでは国内でもAndroidのシェアがiPhoneを上回ったことは記憶に新しいところです。しかしながらAppleのAppStoreはそのいずれをも圧倒する市場規模を誇っており、依然として(特に国内では)電子書籍販売の王座に君臨しています。
それだけに競争も激しく出版コストが高いのもまた事実で、iPad/iPhoneにおいて個人で出版をすることは容易ではありません。・・・などと少しハードルを上げてみましたが、手間さえかければ「原則お金をかけずに」個人で出版することは十分可能です。

以下、長くなってしまったので数回の投稿に分けてiPad/iPhoneに個人で電子書籍を出版する方法をまとめます。「特に知識がなくても、書いてある通りにすれば誰でも出版が出来る」を目標に頑張ります!

□□■ 前置き

iPad向け電子書籍記事の第一回にあたる今回では、まずはiPad向け電子書籍の背景と、どうしても必要なモノ2つをまとめます。

□■□ iPad向け電子書籍市場の簡っ単な背景

iPadで電子書籍を出版するには、現在2つの方法があります。「iBookStore」に出版する方法と、「AppStore」にアプリ形式で出版する方法です。

iBookStoreというのはiPadにおける電子書籍販売の窓口となる場所で、epub形式という電子書籍の世界標準形式で書籍を販売しています。AppleがAmazonのKindleに対抗して作った、正統的な電子書籍の販売プラットフォームと言えます。
それに対してAppStoreとはiPad/iPhone向けのアプリを販売するプラットフォームで、ユーティリティやゲームをはじめとしたアプリが多数公開されています。このAppStoreにアプリとして書籍を公開するというのがもう一つの方法です。

現在日本国内においては後者の方法が圧倒的、ほぼ100%を占めています。理由は至極簡単、iBookStoreが日本語に対応していないからで、また売上の面から言ってもAppStoreに公開したほうが国内向けには圧倒的に良いようです。

故にここではAppStoreに「電子書籍アプリ」を公開する方法をまとめる事とします。(iBookStoreに公開する最も簡単な方法は、以前紹介したSmashwordsを利用する方法です。詳細は割愛!)

□■■ どうしても必要なモノ

「原則無料で」などとカッコつけた手前すこしバツが悪いのですが、iPad/iPhone向けアプリを開発するに当たってどうしても必要なモノが2つあります。

<開発に必須なモノ>
* MacOS X v10.6 以降のマック
* Apple Developper Program アカウント

AppStoreに公開するアプリの開発環境ですが、実はこれを整えるのが一苦労なのです。というのも、アプリの統合開発環境であるXcodeを動作させるために「MacOS X v10.6以降のOSおよびIntel製CPUを搭載したMacのPC」が必須である為です。この縛りは結構厳しく、マカーの方々以外はアプリ開発用に新たに「比較的新型の」マックを1台買わなければならないでしょう。
加えて、アプリの公開のためにはApple DevelopperProgramに 年会費8400円を支払う必要があります。(ちなみにこの年会費、ちょっと前まで10800円でした。円高バンザイ。)

以上をまとめると、初期投資として最低8万円程度の出費が必須ということになります。(+動作確認用の実機を買う場合にはその費用、ただし必須ではありません。)
ちょっと痛いですが、電子書籍アプリ開発を業者に発注すると1冊あたりその倍は取られますから、本気で出版を考えている場合には”むしろお買い得”と思い込んで買ってしまいましょう。

個人で電子書籍出版 part2-販売編-

電子書籍を作成したら、次は販売したくなるのが道理というものです。今回は、一切投資をせず「無料で電子書籍を作成して」「有償で販売する」方法についてまとめてみたいと思います。

『既存のプラットフォームを利用する方法』

電子書籍を販売するに当たって最も簡単な方法は、既存のプラットフォームを利用して販売する方法です。利点・欠点として、

利点:プログラミング等の知識が必要無い/料金収納の手間が要らない

欠点:印税の取り分が減る/書籍の宣伝・改訂などが自由に出来ない

というような点があります。無料で電子書籍を販売できるプラットフォームとして、次のような場所があります。

1.ブクログのパブー [難度:非常に簡単 収入:少なめ]

http://p.booklog.jp/

現在無料・有料合わせて14,313冊の本が公開されているサイトです。作者登録・書籍作成・販売まで一切無料ですが、販売価格の30%が手数料として引かれます。なので、実質の印税は70%となります。これは紙媒体の印税と比べて非常に高い数字ではありますが、販売数が(現在のところ)まだまだ紙書籍と比べると少ないですのでこのサイトだけで満足な収入を得ることは難しいかもしれません。

このサイトの優れているのは電子書籍出版の知識が全く必要のない事で、ホームページの指示に従って文面を書いてゆけば自動的に電子書籍に変換されます。販売も簡単な操作で出来てしまいますので、試しに公開してみるにはもってこいであるとも言えます。

2.DL-MARKET [難度:簡単 収入:少なめ~中程度]

http://www.dlmarket.jp/

上に上げた「パブー」とは違い、このサイトは書籍に限らずあらゆるファイルのダウンロード販売を行っているサイトです。そのため、このサイトで電子書籍を販売するためには自分自身で作品を電子書籍形式に変換する必要があります。(ただし、電子書籍と言っても.docファイルや.pdfファイルでも十分ですのでそこまでハードルは高くありません。)こちらも、利用料等は一切必要がありません。また、販売手数料も価格の僅か15%であり、85%が印税収入となります。クレジットカード払いに対応していることを考えると、破格の手数料と言えます。

このサイトは各々の商品の紹介ページが検索エンジンに引っかかる構造になっていて、商品への(トップページを経由しない)直接のアクセスが国内外問わず結構あります。それでも十分な売上を得ることは簡単ではありませんが、もし自分自身で電子書籍形式に作品を変換することが出来るのであればパブー様より効率良く収入を得られます。

3.Smashwords [難度:やや難 収入:中程度]

http://www.smashwords.com/

最後に紹介するのがこのSmashwordsです。これはWord形式で作品をアップロードすると、それを自動的に電子書籍形式に変換し、様々なプラットフォームで代行販売してくれるというサービスで、AppleのiBookStoreやSonyのReaderStoreを含めた世界的なプラットフォームで作品を公開・販売することが出来ます。販売手数料も安く、販売価格の60%を印税として得られます。(Appleの取り分30%、Smashwordsの取り分10%、印税60%。)

このサイトの最大の強みであり弱みでもある点は、これが国際的なサービスであるという点です。先に挙げたiBookStoreにしてもReaderStoreにしても、世界で最も大きなストアとは言え日本国内ではほとんど普及していません。ですので、公開する作品には注意を擦る必要があります。適した作品さえ公開すれば、先に挙げた2つのサイトよりずっと多くの売上を得られます。

『自前のプラットフォームで販売する場合』

自前のプラットフォームで、つまり自分のホームページで電子書籍を販売することが出来れば印税は100%です。また、作品を宣伝したり、改訂する場合にも非常に便利です。しかしながら当然料金収納の手間などがあり、既存のプラットフォームを利用するほど簡単ではありません。ここでは、自前のホームページ(とレンタルサーバー)を用意したとして、どう料金を収納すれば良いかを論じます。

以下に挙げる以外の方法もありますが、今回はあくまで”無料で”利用出来る方法にこだわりたいと思います。よって、作品の電子書籍化は「メディアブックパブリッシャー」等で行うこととし、それをどう取引するかに的を絞ります。

1.銀行振込による料金収納

料金収納の最も簡単な方法は、電子書籍の購入を申し込んできた人に対して銀行口座番号を送付し、そこに入金してもらう方法です。入金を確認したらメール添付で作品を送付するか、もしくはダウンロードアドレスを送付すれば取引は完了します。一切手数料が必要ありませんので価格の100%が印税となりますが、口座を確認する手間や、申し込みだけで実際には振り込まないケースがあることなどを考えると決して楽ではない方法です。

2.代金引換による料金収納

少し特殊な料金収納方法ではありますが、電子書籍をCD-ROM等に焼き、それを代金引換(郵便)で申込者に送って料金を収納することも出来ます。この方法であれば集金を郵便が代行してくださるため、集金漏れがありません。その代わり送料やCD-ROM代などが高くつくため、銀行振込よりも場合によっては手間がかかってしまいます。

3.Paypalを使った方法(クレジットカード決済)

日本では普及していませんが、Paypalは国内からでも使用可能です。支払い方法として各種クレジットカードが使えるため、個人にはハードルが高いカード決済の導入が非常に簡単に行なえます。加えて、支払いが終了した後に自動的にファイルのダウンロードを開始する設定も可能であるため、全自動で決済~取引を行うことが出来ます。色々と登録をする必要がありハードルは低くはありませんが、特に国外向けの販売方法としては非常に優秀です。

以上、メモ書きになってしまいましたが「個人が」「お金をかけず」「電子書籍を販売する」方法をまとめてみました。次は、iPadで書籍を出版する方法をまとめてみたいと思います。

個人で電子書籍出版 part1-無料公開編-

昨年2010年はiPad,Kindleなどのデバイスの日本での発売が相次ぎ、マスコミ等で電子書籍元年と騒がれたのは記憶に新しいことです。電子書籍の普及は自費出版など小規模出版の選択しを大きく広げ、従来は出版できなかったような原稿であっても世界に公表する事が可能になりました。

芽生えたばかりの電子書籍ビジネスは大手出版社を中心として成長し、結果として個人では参入し難かったのが残念ながらこれまでの現状でした。しかしながらiPadの発売から1年以上たった今、徐々にではありますが個人での電子書籍出版のハードルが下がりつつあります。この記事では大学生などの個人が、低コストで、どうすれば電子書籍が出版できるかを考えます。

part1の今回は、販売を前提とせず、無料で電子書籍を公開する方法を考えます。いつも通りメモ書き程度で申し訳ありませんが、ご参考にされる方がいらっしゃれば望外の幸いです。

———

■ 何をもって電子書籍というか?

「パソコンその他で読める本」という広義の意味であれば、WordやPDFなどの形式であっても電子書籍と十分みなせるかもしれませんが、それでは少し物足りません。Wordで原稿を書いてWebで公開する分には特別な知識は必要ありませんし、読み手としても電子書籍を呼んでいるとは感じないでしょう。

ここでは、実際に本を読んでいるような効果(ページめくりetc..)が付いている事を最低条件としてみます。

———

■ 有料で販売するか、無料で公開するか?

有料で販売しようと思うと、ただ電子書籍形式に変換するだけでなく、不正コピー防止の措置や代金収納にも気を回す必要があります。そういった事は次回以降で述べることにして、今回は「無料で作って」「無料で公開する」ことに主眼を置きます。

———-

1.既存のサービスを利用する

最も簡単な方法は、既存のサービスを利用してしまう方法です。

少し本記事の主旨から外れますので、個人むけ電子書籍出版サービスの最大手を1つだけ挙げると
ブクログのパブー | 電子書籍作成・販売プラットフォーム

http://p.booklog.jp/

が有名です。ホームページ上で書籍を執筆できるので、特別な知識が無くでも小説・漫画等を無料で出版できます。さらに有料での販売もできるので、手軽に始めるには最適です。現状では販売数の面で不満が残りますが、個人で出版する分には有力な選択肢の1つです。

2.自分のホームページ上で公開する

自分のホームページ上で無料公開する方法として最も簡単なものは、Flashを利用した電子書籍に変換する方法です。国内の業者に変換を委託すると最低でも数万円は費用がかかりますが、ほぼ同等のサービスがスペインのサイトから無料で利用できます。

CODE BOX

http://www.codebox.es/pdf-to-flash-page-flip

PDFファイルを電子書籍形式に変換するサービスで、必要最低限のインターフェースを備えています。(ファイルサイズ上限10MBまで、しおり機能は無し)HP上で掲載しやすく、<iframe>タグでホームページに組み込むとなかなかカッコよく表示されます。

他にも同様のサービスはありますが、使いやすさの面で上記に勝るものは見つけられませんでしたので割愛します。

3.Windows用アプリケーション形式で配布する

アプリケーション形式で電子書籍を配布すると、書籍をローカルで閲覧できるようになるため読み手にとっての利便性が高くなります。その分ハードルも高くなりがちで、業者に委託すると場合によっては十数万の費用が必要になってしまいます。

しかし、SeaSideSoft(合名会社)様が配布中のソフトウェアである「メディアブックパブリッシャー」を用いることでほぼ同品質の書籍アプリケーションをフリーで作成することが出来ます。

シーサイドソフト

http://www.seasidesoft.co.jp/s3publisher/s3publisher.html

ファイルとしてページごとにjpg等で画像ファイルとして用意するか、もしくはpdfファイルから変換ができます。しおり機能やジャンプ機能を備えており、個人で利用する分には申し分のないソフトです。

———-

以上、簡単なメモですが「個人が」「無料で」電子書籍を公開する方法をまずは3つまとめました。

次回以降、有料での販売の方法も含めてまとめていくつもりです。

放射能について知っておくべき4つのポイント

以下、名古屋大学の政木りかさんにご寄稿頂いた放射能についての記事です。
受験の話題と全く違う内容でなんだか申し訳ないのですが、
科学関係の話題ということで、掲載させていただきます。

放射能について知っておくべき4つのポイント
名古屋大学情報科学研究科 技術補佐員 政木りか

Q1 放射能と放射線と放射性物質、何が違う?

ニュースでよく聞くまぎらわしいこれら専門用語ですが、全て意味が違います。それぞれの用語には次のような意味があります。

放射線:目に見えない「電波のようなもの」で、いくつかの種類があります。(α線と呼ばれる種類のものは紙一枚で防ぐことが出来ますが、γ線と呼ばれるものは2~30cm程度のコンクリートであれば通り抜けてしまいます。)多く浴びると健康に悪影響を及ぼします。
放射能:「放射線を出す能力」のことを放射能といいます。
放射性物質:放射能を持った物質を、放射性物質といいます。

一部マスコミや自称専門家が、これらの用語を混同して使っている事があります。話し手が信用できる情報源かどうかを見極める意味でも、これらの違いを意識することは大切です。

Q2 放射能は、屋内にいれば防げるの?

はい、大きく防ぐことが出来ます。
何故なら、原子力発電所で事故が起こったとき、私たちが気を付けなければならないのは「(直接の)放射線」ではなく空気中の「放射性物質」だからです。

確かに、放射線のいくつかの種類は色々な物を通り抜けて人体に影響を与えます。しかし放射線は、その発生源から少し離れれただけでその影響が大きく減少します。ですから原子力発電所から出た放射線が、何キロも離れた場所に直接影響をあたえるようなことは無いのです。
では何故、何十キロも離れた場所からも放射能が観測されるのでしょうか?それは、空気に乗って「放射性物質」が遠くまで運ばれるからです。

放射性物質のふるまいは「花粉」のそれと似ています。微粒子で、空気に乗って発生源から遠くまで運ばれ、悪さをするのです。ですから放射性物質による放射能の影響を防ぐためには、基本的には花粉対策と同様の対策が有効です。
よって、「外に出ない」ことこそが一番重要な対策方法なのです。
他にも、「外に出るときはマスク・ゴーグル他をする」「髪の毛につかないように帽子をかぶる」「外から帰ってきたときは玄関でよく服をはらう」「家の窓の隙間に目張りをする」といった対策が有効です。

Q3 放射能による健康被害って?

放射能自体は決して特別なものではなく、私たちは日常的に放射能に囲まれて過ごしています。(例えばラドン温泉は放射能を健康用に使っている例ですし、飛行機に乗ったりする度にも一定量を浴びています。)
しかしこの放射線量が大きくなると、人体に悪影響が出始めます。
テレビでは“何ミリシーベルトから~が起こり…”等の数字が連日放送されていますが、実は「この放射線量から人体に悪影響が出る」というはっきりとしたラインは存在しません。テレビ等で放送されている数値はあくまで“目安”の数字であって、それで健康被害が測れる事はありません。数字に踊らされないことが大切です。

線量の数字以上に重要となるのが、「内部被曝」「外部被曝」の差です。
体に放射線を浴びることで被曝をすることを「外部被曝」、放射性物質を(食べるなどして)体内に取り込むことで被曝することを「内部被曝」といいます。
このうち甲状腺ガンなどの主な原因となるのは内部被曝であり、これを可能なかぎり防ぐことが何よりも肝要なのです。
防ぐ方法として次のものが知られています。

1. 放射能物質が観測されている地域では極力外に出ない。出る際には必ず防じんマスク(花粉症用のマスクでは除去しきれない)を着用する。

放射性物質は微粒子ですので、それをフィルターするためには防じんマスクが必要です。(DS2と呼ばれるランクのものが適しています。)手に入らない場合は花粉症用のマスクでも一定の効果はありますが、その場合には鼻や口のマスクの隙間から空気を吸い込まないようにして下さい。

2. 放射性物質を吸い込むことが避けられない状況になることが分かっていれば、その24時間前までに昆布を食べるか、ヨウ素剤を服用する。

放射性物質の中に放射性ヨウ素があり、これは甲状腺などにたまってガンを引き起こすことが知られています。これを防ぐために、被曝の前までに“正常な”ヨウ素を体内に大量に摂取しておく方法があります。(こうすることで、後から入ってきた“放射性”ヨウ素は体に取り込まれずに排出されます。)
“正常な”ヨウ素は海藻類、中でも昆布に大量に含まれます。(その次はワカメですが、昆布の四分の一程度しか含まれていません。)乾燥昆布、またはおぼろ昆布があればそれを食べておきましょう。
被曝後であっても、半日~1日以内に食べれば一定の効果があることも知られています。ただし、早く食べすぎても効果は失われてしまいます。食べ貯めのような事はできませんので注意が必要です。

Q4  放射能に備えるには、どういった用品が必要なの?

はじめに、名古屋から最も近い原子力発電所は福井県の敦賀第一原発/美浜第一原発であり、どちらからも約100kmの距離があります。これは十分に安全な距離ですので、以下のリストの品物を急いで買い揃える必要はありません。今後、原子力発電所付近に居住されることが予定される場合などにご参考になさって頂きたいと思います。

□ 防じんマスク
上で述べたとおり、DS2と呼ばれるクラス以上の商品が必要です。(価格は500円程度)使用したマスクは廃棄して使いますので、複数必要です。

□ レインコート/ゴーグル/ゴム手袋/頭がすっぽり入る帽子/ビニール袋+輪ゴム
外に出る際には、放射性物質が服や肌に付着しないようにこれらを着用します。使い捨てますので、複数必要です。(靴はビニール袋でおおって輪ゴムで止めます。)

□ 大きなビニール袋(ゴミ袋)
上で使い捨てたレインコート等を密封して捨てるために用意します。

□ ガムテープ/ビニールラップ
窓・換気扇等の目張りに必要です。

□ 乾燥昆布
ヨウ素剤の代用として使います。

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Mr.T(京大工物)
京都大学工学部物理工学科在籍、東海高校出身。

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