自律ということ
プロフェッショナルオートノミーという言葉があります。医師などの高度な専門的能力が求められる職業に従事する者(プロフェッション)に与えられる/求められる、職務上の自律性のことです。職務において自分が何をなすべきかを自ら規定し、実践していくということです。
家庭教師の仕事は、自律性が求められる仕事です。自分の仕事ぶりを逐一指導する上司はおらず、手を抜いてもやっていけてしまう状況というのも少なくありません。結果が出なくても、生徒のせいにしてしまうことさえできます。そのような中で、自分が家庭教師として果たすべき役割は何なのかをきちんと考え、自ら決めた規範に従って行動していくことは、少なくとも私にとって何より重要なことです。
私が担当することになった兄妹の一人は、ある緊急の課題を抱えていました。私はこの一カ月、その子がそれを乗り越えるために、その子自身が何をするべきか、そして私がどのようなサポートをすべきか、常に妥協なく考え、行動してきたと思っています。2月の合計指導時間は40時間近くなり、その間に厳しいことも言いました。指導を通じて私が伝えたかったのはやはり、自律ということ、「自分でやると決めたことはやる」ということです。高々1カ月の間にそれを伝えようというのは無謀なことだったかもしれませんが、本人も何かを感じ取ってくれたのではないかと思っています。
別にこれでその子の指導が終わったわけではないのですが、先日の指導でまずは一区切りがつき、私も(たぶん、その子も)一息ついているところなのです(何か総括めいた内容になってしまいました)。あとは結果が出ていることを祈るばかり。人事を尽くして天命を待つ、です。
2012年3月5日 | 家庭教師レポート | _kafka(京大院理) | コメント(1)